国立幼児音楽研究会


第6回 くにたち幼児音楽研究会報告

1.日時  2007.2.24実施
2. 発表者 桐朋幼稚園   市川 杏子・小林 弘美
3.場所 桐朋幼稚園

4.発表内容
  1. 桐朋幼稚園について   保育の中で大事にしていること
  2.    音楽的活動について
    @
4歳児クラスでの活動
     A歌、身体表現、楽器経験、わたべうた、「3びきのこぶた」の活動
     B5歳児クラスでの活動
    歌、わらべうた、笛を使用した「カッコウワルツ」の合奏と身体表現と造形活動、「ぞうのたまごのたまごや    き」の活動
  3.音楽題材「おもちゃの兵隊」の活動をめぐっテ
  @「おもちゃの兵隊」の活動の意味
    単なる器楽合奏ではなく、「おもちゃの兵隊」の曲の中にあるイメージをクラス皆で共通に持てるように働    きかけることを意識的に行ってきた。そのイメージの中で身体的に表現してみること、なりきって遊ぶこと    、造形的に作って表現してみること、そして、クラス全員での器楽合奏を楽しむことといった多面的に総合    的な活動である。
  A活動の流れ (スライドとVTR)
      2学期の入り、12日の宿泊保育の活動の1つとして『わんぱくマーチ』など、歩きながら楽しんで歌える    歌を取り入れた。そして、その曲に合わせて小太鼓やバスタムを入れ、打楽器の経験を行った。ここから「    おもちゃの兵隊」の活動の序章が始まっている。歩くこと、リズムを刻むこと、そのテンポで打楽器を叩い    て合わせる楽しさを味わった上で、10月中旬より「おもちゃの兵隊」の具体的な活動へと移行していく。ま    ずはストーリーの素話と曲を聴き、子ども達の中にこのイメージがわいてくる。小太鼓やバスタムの打楽器    を合奏に取り入れながら、ストーリーの役になりきってみることや、思い描くことを言葉で伝え合うことで    イメージを共有し合っていった。また、「馬車の音」「馬車の馬がつけている鈴の音」「大臣が通る時の音    」など合奏に取り入れる楽器を子ども達と相談しながら決めていった。この時期、「お城」「馬車」「王様    」などといった雰囲気の絵本を積極的に読んだり、グループごとに大きなお城作りを3日間かけて行い、イメ    ージを友達と共に形にして遊ぶことの経験をした。合奏は最終的には11種類の楽器を使い、出来る限り全部    の楽器が経験できるように回数を重ねていった。
        そして、2学期終業日の「音楽を楽しむ会」の中で保護者や年少組にも披露しようということで、合奏で担    う楽器の分担を決めたり、被り物を作り、合奏が総合的な活動として大きくまとまった形となった。
       3学期初め、「ひさしぶりにやりたいな。」の声にクラス皆で合奏を再び楽しんだ。
   B討議
   C合奏体験
<発表しての感想>

   出席者全員にご意見ご感想をいただきました。ありがとうございました。
  子ども達が好きな遊びの中でも楽器をならし合奏を楽しんでおり、それができる環境があることとがよいなと思  ったというご意見をいくつかいただきました。
  合奏を楽しむ子ども達の横で、家族ごっこをしている子ども達も自然と体がリズムをとっていたり、あるいはお  弁当の支度をしながら友達と一緒にメロディーを口ずさんでいる、そういった姿は子ども達の生活の中で大事に  していきたいと思って過ごしています。
  ・合奏に取り入れる楽器を子ども達と話し合いながら決めていくというのがよいなと思ったというご意見をいく   つかいただきました。曲のイメージに合う楽器はどれだろうか、楽器の音色に耳を澄ませて聴いてみるという   経験も大事にしたいと考えています。そして、ご指摘を受けて、そうしてクラス皆で選んだ楽器で合奏を作っ   ていくということが子ども達の意識を作っていく上でも大事なことなのかもしれないと改めて気が付きました   。
  ・最後に出席者の皆様と行った合奏は大変新鮮な体験でした。大人ならではの、味のあるバスドラムの音や、馬   の足音のリズムも見事で、とても楽しく学ばせていただきました。
   ・桐朋幼稚園で毎年行っている題材である「おもちゃの兵隊」。もちろん毎年子どもも活動の中味も流れも違っ   てきますが、変わらないことをどう捉えていくのかということは持ち続けていかねばならない課題だと思いま   す。
      しかし、少なくとも今回実践報告をさせていただいたことにより、その内容と意義を振り返ってみる   と、子ども達に願う姿や方向性は意味のある方向に向かっているのではないかと思いました。総合的   な活動として子ども自信が楽しんで「もっとこうしてみたい」といったイメージが自然と湧き上がっ   てくるような活動を作りあげていきたいと思いました。 貴重な機会をいただきまして、本当にあり   がとうございました。

第6回 くにたち幼児音楽研究会のご案内

                   平成19年2月9日
                                      くにたち幼児音楽研究会事務局

梅の花が咲き始め、2月とは思えない暖かさですね。
今回は桐朋幼稚園の合奏の取り組みについて、実践報告をしていただきます。会場は桐朋幼稚園となりますので、お間違えのないよう皆様のご参加をお待ちしています。

                 記 

1.期日  2月24日(土)  13:00〜16:00
2.場所  桐朋音楽大学附属桐朋幼稚園   図書室

       京王線 仙川駅下車 徒歩7分
       
調布市若葉町1−41−1
        *桐朋学園の守衛室に立ち寄り、研究会に参加の旨を伝えてください。正門       から幼稚園までの道順をお渡しします。3分ほどの道のりです。
3.内容  実践報告
         音楽題材「おもちゃの兵隊」の活動をめぐって
       
@     活動の流れ
           A     活動の様子
           B     考察
           C     討議

      桐朋幼稚園  市川杏子先生
                    小林弘美先生
                                 
以上

<事務局>

  AEER  電話・FAX  047−397−0228
         Eメール   aokiyo@aokiyo.com
  国立音楽大学附属幼稚園 山下郁子
         電話     042−572−3533
         FAX    042−573−9977


        第5回 くにたち幼児音楽研究会のご案内

今年も残り少なくなってまいりました。学級事務整理などにお忙しいことと存じます。11月の岩瀬さんの研究会後、どうしたら子どもの言葉にメロディーをつけたり作曲したりできるのですか、という質問をいただきました。そこで早速疑問にお答えすべく、次回の研究会を行います。皆様には是非3学期から実践に生かしていただきたいと思います。

                   記

1.期日  1月20日(土)  13:00〜16:00

2.場所  国立音楽大学附属幼稚園  遊戯室

3.内容  スケッチブックからはじまる音楽

      〜幼児と作るオリジナルソング〜

@     教室実践報告

A     ワークショップ

B     発表                

            ゆきこミュージックスタジオ 村山祐季子さん

                                         以上

<事務局>

AEER    電話・FAX   047−397−0228

       Eメール   aokiyo@aokiyo.com

くにたち音楽大学附属幼稚園 042−572−3533

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国立音楽大学附属幼稚園
〒186-0004
東京都国立市中1丁目8番地25号
TEL:042-572-3533
FAX:042-573-9977
MAIL:k-onyo@m-net.ne.jp

                   
                  
第4回くにたち幼児音楽研究会報
 
 去る11月18日国立音楽大学付属幼稚園で、18年度第四回研究会を行いました。今回のテーマは、保育士、幼稚園教諭養成校の、東京教育専門学校におけるオペレッタの授業の紹介でした。
 東京教育専門学校の創立者である和田実の保育の理論と、現在の学校の現状、オペレッタの授業の位置付けなどを、お話した後、オペレッタの授業で作り上げられた「ありときりぎりす」を役に分かれて上演しました。皆さん短い時間でしたが、働くありや、なまけもののきりぎりすになって、表現してくれました。今回は、オペレッタ指導中という保育園の先生方も参加していただき、一人一人のお話をきくこともできました。                                                        東京教育専門学校      岩瀬礼子  

第4回  くにたち幼児音楽研究会のご案内

1.期日  11月18日(土)  13:00〜16:00
2.場所  国立音楽大学附属幼稚園   遊戯室
                             JR国立駅南口下車 徒歩3分
3.内容
 (1)実践報告  東京教育専門学校でのオペレッタの授業
   @授業の展開と作品ができあがるまで
   A役に分かれて実演
   B作品のビデオ上映
   今回は授業で用いた自作のオペレッタを実際に演じながら、オペレッタ  を演じることによって幼児は何を感じるか。歌や音楽に抵抗がある幼児  にとってオペレッタは楽しいものなのか。皆さんと考えてみたいと思い  ます。
     
提案者 東京教育専門学校講師 岩瀬礼子
 (2)討議
    *伴奏付き楽譜は実費(150円)程度です。

 <事務局>
  AEER     電話・FAX 047−397−0228                Eメール   aokiyo@aokiyo.com
    国立音楽大学附属幼稚園   山下郁子           
           電話     042−572−3533


第2回夏期研修会 「総合リズム教育を学ぶ」

                 報告
まとめ 国立音楽大学付属幼稚園 山下郁子

昨年に続き今年も小林宗作の教育観を学び、総合リズム教育を体験しました。それぞれの先生方の教育現場でどのように実践できるか、その方法も考えながら研修をおこないました。40名の先生方に参加いただき、賑やかに和やかに身体を動かし、脳に刺激を与え汗を流した一日でした。暑い中ご協力ありがとうございました。

1.「総合リズム教育」の考え方   青木久子

 土川五郎の律動遊戯の分類の視点を捉え、小林宗作の総合リズム教育の定義を明らかにする。大正14年の宗作の「総合リズム教育」講習会資料から、自然と人の調和、五感の交流、形のリズム、線のリズム、色のリズム、言葉のリズム、身振りのリズムの考え方を読み解く。

2.「総合リズム教育」の実践    山下郁子  ピアノ岩瀬礼子
  @緊張と弛
  
丹田を意識することで身体の中心に意識を集め、自分の身体と向き合いながら力の  入れ方と抜き方を感じる。(片足で立つ、つま先で立つ等)
  A歩く(自分の速度で歩く、指定された速度で歩く、拍を感じて歩く等)
  Bクロ、シロ、ハタ、シロテン、マルなど音符の名称と長さを感じ表現する。(手を  たたく、歩く、肩たたき等)
  C合図のかけ方
   2人で肩たたきして合図を掛け合ったり、10人で輪をつくり一人一拍受けもち、  リーダーが合図をかけたりする。
  D時間と力と空間の関係
   10人くらいで輪を作り足を伸ばして一定の空間をとって座る。順番に足を跳び越  えていく。指定されたテンポに合わせて跳ぶ。(一定の空間煮に対し時間が変化し力  の入れ方が変わることを感じる)
  E拍子を感じる(強弱を感じ表現する)
   拍子を感じ手や肩をたたいたり、指揮をしながら歩いたりする。
  F音の高低
   高い音と低い音を聞き分けて表現する(ジャンプをする、床を触る等) 
    ド、ミ、ソを聞き分ける(カメになって足、手、頭を出す)
    ドレミファソラシドのハンドサインをしながら歌をうたう。
  G四肢の独立
    右手と左手や手と足が違う動きをする。合図で左右の動きを替えたり、手足の動き   を替えたりする。
3.質疑応答
  ピアノの弾き方について質問がありました。先ず教師がよいリズム身につけて、鍵盤の上で運動をするように弾いくこと。和音は自分が心地よい音を探して先ず弾いてみることなど話し合いました。

3回 くにたち幼児音楽研究会のご案内<リトミック実技>  
 1.期日  
826日(土)     10:00〜16:00
 2.場所  国立音楽大学附属幼稚園  遊戯室
 3.ねらい
 @「全身のリズム運動により心身の調和と発達を願い、想像力と実現力とを調和し、創  造力を無発達させる」とした小林宗作の総合リズム教育の実際と理論を学ぶ。
 A模擬指導を通して子どもと遊ぶことができるような指導力を身につける。 
 4.内容  

   (1)自分の身体と向き合おう 
   (2)小林宗作のうたとあそびを遊ぶ
   (3)総合リズム教育の意味
   (4)みんなで作ろう、うたとあそび
      国立音楽大学附属幼稚園教諭 山下郁子
 5.服装、持ち物
   ・ノート、五線紙、筆記用具、弁当、飲み物
   ・動きやすい服装(ズボン)、裸足になりやすいように。
 <事務局>
   AEER  電話・FAX  047−397−0228
             Eメール    aokiyo@aokiyo.com
   国立音楽大学附属幼稚園   042−572−3533


平成
18年度 2回 くにたち幼児音楽研究会のご案内                     平成18710くにたち幼児音楽研究会事務局1.期日  722日(土)     13:00〜16:00
2.場所  国立音楽大学附属幼稚園  遊戯室 
                        JR国立駅南口 徒歩3
3.内容 
   幼稚園、保育園にけるわらべうたの現状とわらべうたの分析
   国立音楽大学附属幼稚園教諭 山口元子
4.討議

2006.6.17 平成18年度 1回研究会報告

場所:青山学院大学1134教室

【研究会内容】
(1)実践報告   「宇都宮短期大学でのオペレッタ実践報告」 浅賀ひろ
(2)討議
(3)みんなでうたおう
【報告】

宇都宮短期大学でのオペレッタ実践報告
浅賀ひろみ(東京スポーツレクリエーション専門学校
平成17年12月から翌18年1月にわたり、人間福祉学科幼児福祉専攻で行われた特別講義「保育実技演習」(オペレッタ)について、その実践報告を行った。
発表項目の概要は以下のとおり。
T はじめに
U 宇都宮短期大学の概要とカリキュラム
V 特別講座開講に至った経緯
W 「保育実技演習」概要と授業計画
X 発表会にむけてー授業実践内容
Y まとめー5つの方向から検討 
 @授業で見られた学生の気づきや育ち
 A自己評価シートから
 Bシアター教育の観点から
 C人間的成長
 D今後の課題

Z 参考文献
  この特別講座は短大2年生の卒業を間近に控えた12月に行われた。なぜこの時期に講座開講となったのかその経緯を紐解いていくと、カリキュラムと深いかかわりをもつことがわかる。この問題点をふまえ、この講座が学生の保育者としての資質向上のための実践的内容の講座であったことを論じていった。授業が回を重ねるごとに学生の気づきや育ちなど成長の度合いが高くなり、自分の活動として、また仲間の活動としては、その演技や内容をじゅうぶん楽しんでいる様子が学生の行動や自己評価シートからも認められた。一方、シアター教育の観点からみると、さらにその先の、その思いを外に向け観ている人にそれを伝える、もしくは伝えたいという気持ちを持つという段階まで及ぶことができなかったように思えることは残念でならない。しかしながら、学生たちはこの集団での活動を通して、たくさんの収穫があったようである。題材を提案し、さあ始まるぞという期待感や緊張感、時には苦労もあったと思うが、それ以上に前向きな気持ちが強く、劇をつくりあげていくことへの興味関心、良い作品を皆で協力して作り上げようとする気持ち、成功をともに分かち合う気持ち、仲間が失敗したときの相手をいたわる気持ち、表現することの心地よさ、友だちと楽しさを共有することの喜びなどを味わうことができ、学生一人ひとりが人間的にも大きく成長することができたことは大きく評価できるであろう。舞台作品としての完成度や発表場所の選択、音環境、上演対象など、今後の課題となるべき問題も明らかになったが、学生はこの講座の開講趣旨である「保育実践に必要な表現の知識と技能を修得し、幼児自身が表現を楽しめるような保育を構想し実践できる保育者」に近づくことができたのではないだろうか。
 
 討議では、表現や表現活動について参加者の皆様から話題提供をしていただき、さらに深め合うことができたように思う。
 「みんなでうたおう」では、「わ!」「タンポポ団にはいろう」「あおいそらにえをかこう」を取り上げ、参加者全員で歌い、歌うことの心地よさを参加者全員で味わうことができたように思う。伴奏は三好優美子氏(聖徳大学)。

以上が今回の実践報告である。

私はこの授業を実践する際、将来保育者となる学生に、まず自分が表現することを楽しいと感じる経験をしていなくては、さまざまな子どもの表現を気づくことができず、また、さまざまな育ちを援助することは難しいだろうと伝えていた。この講座を受講した学生たちは、少なくとも受講していない学生よりは、子どもの表現についての知識を得、経験を積み、保育の質を高めるきっかけができたのではないかと思う。そして私自身にとっても、このような発表の機会をいただけたことは、自分がこれまで取り組んできた授業実践を整理し、客観的に捉えなおす大変良い機会となった。今後も引き続き、このような活動を通して、表現活動や表現教育について考えていきたいと思う。                  (浅賀ひろみ)

平成18年度くにたち幼児音楽研究会のご案内

                                      平成18年5月10日
                                          くにたち音楽研究会事務局

新緑の美しい爽やかな季節になりました。昨年度は参加者の皆様にご協力いただき、有意義な研究会をもつことができました。今年度も会員相互で意見交換をしたり、問題提起をしたりしながら、各自研鑚を積んでいただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
<研究内容>

 昨年度に引き続き、「歌うことを支える」として、子どもの表現欲求や活動欲求、音やリズムとの出会い、幼児音楽の歴史的考察、今日的な課題把握、及び具体的な実践報告に基づいた幼児音楽の新たな視点等について、学習を継続、深化させる。

<平成18年度の予定>
1回  617日(土)  13:00〜16:00
     場所  青山学院大学  1134教室
     内容  宇都宮短大でのリトミック実践報告
     提案者 浅賀ひろみさん
2回  722日(土)  13:00〜16:00
     場所  国立音楽大学附属幼稚園  遊戯室
     内容  幼稚園・保育園におけるわらべうたの現状
       提案者 山口元子さん
3回  826日(土)
     場所  国立音楽大学附属幼稚園  遊戯室
     内容  リトミック実技研修会
        指導   山下郁子
4回  1118日(土)
     場所、内容未定  参加者の実践報告、問題提案を募る。
5回  120日(土)
     場所、内容未定  参加者の実践報告、問題提案を募る。
6回  224日(土)
     場所、内容未定  参加者の実践報告、問題提案を募る。

<事務局>
AEER 電話・FAX 047−397−0228
     Eメール  aokiyo@aokiyo.com

国立音楽大学附属幼稚園 山下郁子  042−572―3533
       新入会の方は、会費3000円
       入会以降、継続会員の方は、事務費がなくなった段階で相談の上、徴収しま      す。


第6回 くにたち幼児音楽研究会の報告
 第6回は、船橋の健伸幼稚園の研究発表会にかえさせていただいた。
<2月24日 公開保育および研究発表、討論会>
 午前中の公開研究会は、指導案や研究資料等を片手にダイナミックな園内の環境を見たり、子どもの活動する姿に感心したりといった様子が伺えた。
 特に、遊びと造形表現や運動に視点が当てられた1日で、絵描きをした3歳児が先生に自分の絵の世界をじっくり聞き書きしてもらう姿が印象的。話す文脈がとても長く、絵だけでなく経験を表現することがうれしい経験となっていることが分かる。粘土やくるくるへびつくりの子どもたちも熱中していた。4歳児は、先生とフル−ツを箸のペンで描いている子、手のデッサンをしていた組、戸外で石拾いを遊びにしている組とそれぞれの学級ごとの取り組みがみられた。5歳児は、グル−プ別活動で、アトリエでの絵画、体育館での運動、遊戯室での言葉を歌に、戸外での縄跳びやドッチボ−ルと目的的な活動が展開された。
 午後は、描くという視点から研究発表があり、日常の経験の豊かさが、描きたいテ−マを生みだし、そこに自分を表現できる環境があることが表現の豊かさに繋がっていることを実感した方々が多かったようだ。ともかく画材は豊富でよく研究されていた。
<2月25日 ティ−ム保育の研究発表と講演>
 ティ−ム保育の研究発表は、園児の保護者、卒業生、教師などアンケ−ト調査結果の考察をもとに、ティ−ム保育の評価が発表された。
 講演は、文部科学省教科調査官篠原孝子氏から「これからの幼稚園教育」と題して、健伸幼稚園の研究への示唆、今日的な国の施策とこれからについて具体的な、また大きな展望が語られた。全国から参加した方々が2日間に渡って学習する機会をいただき、さらに、25日には造形展も拝見することができた。くにたち幼児音楽研究会としては、直接音楽につながるというより、幼児の表現分野においては、経験の質が表現に表れるということを確認するものとなったといえよう。

第5回研究会  報告
    平成18年 1月14日(土) 於;国立音楽大学附属幼稚園 遊戯室
                          まとめ 小杉美那子・北野玄二 <提案>
【歌い動くー劇やミュージカルにおける音楽表現と環境】
 ◎4歳児の表現「フクロウのそめもの屋」の実践から『表現が生まれる環境と幼児の経 験』について発表をし討議した。以下は概要である。             
                      小杉美那子(国立音楽大学附属幼稚園)

 「フクロウのそめもの屋」はカラスは何故黒いのか、フクロウは何故夜活動するのかという由来の話である。この物語を題材とし、5つの観点で表現活動を行なった。
1.テーマをもつ
 表現を企画するにあたって最も大切と考えたことがテーマをもつことであった。テーマをもつことで目的がはっきりし、遊びが多彩になると考えた。
2.イメージをもつ
 イメージを豊かにする事が表現をより楽しくすると考え、『鳥と染物』を遊びに取り入れた。
3.ストーリーを楽しむ
 絵本「からすのかんざぶろう」を室内の絵本コーナーに提示したり、素話「梟(フクロウ)染め屋」などで物語を楽しむ。
4.拍やリズムを感じ、リズミカルに身体を動かす経験をする
 ジャンケン遊びやスキップ遊びを取り入れ拍やフレーズを感じる経験をした。
5.歌(音楽)を作る
まとめ;環境を重視したからこそ表現活動に興味がわいたのであろう。歌は4歳児なので 動きがまだ声量はなく聞こえにくかったが、劇やミュージカルが面白いと感じていれば 歌いたい気持ちになってそれが5歳児につながっていくと思う。

◎5歳児の表現「寿下無」「てんてんうた」
                      北野玄二 (国立音楽大学附属幼稚園)

 落語の「寿下無」、詩「てんてんうた」を言葉と身体で表現した。言葉のリズム、響き、間を感じ取り、仲間と息を合わせながら全身を使い、言葉にぴたりとくる動きで表現していく。動作で音を表現し、動きに音がある。
<面白さ>
 ・言葉と動きがかみ合ったとき―リズム、新しいものを生み出すこと
 ・さらに友達の評価が高いとき―評価
 ・自分の考えたことが面白いと評価され自信となり、その動きを友達に伝え面白さを共  有し表現するとき
 ・身体で表現する気持ちよさを感じるとき
 一人ひとりに”面白いと思うこと“が感じとれた。楽しみを見つけようとする子どもの 力があった。担任(提案者)は手探り
<動きのリズム感覚>
 創っていく過程で―教師(提案者)も共に行なって感じたこと
 ・見て感じ聞いて感じた刺激が、、動機になってさらに動く。
 ・見て感じ聞いて感じ、さらに動いて感じたことを動きにより表現し、繰り返すことで  磨きがかかり息が合ってくる。
まとめ;昔から大衆に人気のあった落語や詩人が作ったものは子どもの心をつかみ、子ど もは題材、創る過程など全部遊びで、かんじた。自分たちの自信のあるものを表現する 気持ちよさを味わえたと感じた。

全体討議
 @表現が生まれる環境と幼児の経験   
 A音楽劇、ミュージカルなどが生まれる暮らし
 上記の2点を討議の柱とし、表現活動をどのように考え行なっているのか現場での実際をざっくばらんに話し合う。子どもに動きと歌は同時に行えるかなどが話されテーマ≠ニは何かということに焦点が絞られた。提案者は前年に同じ4歳児を担任し既成のオペレッタ「3匹のやぎのがらがらどん」を行った。これは歌とストーリーを楽しむことが主となり普段の遊びと分離した。テーマが「3匹のやぎのがらがらどん」自体で、ヤギやましてトロルという北欧の妖怪は子どもの身近ではなかった。「フクロウのそめもの屋」は物語そのものではなく色≠テーマとしたことで、普段の遊びと物語が一体となり、子どもに身近となったことを述べた。
 この提案をきっかけとして、子どもと共に創る表現活動がさらに充実できるよう、新たなものを創りだそうということで会を締めくくった。2006.1.20

第6回くにたち幼児音楽研究会案内
 2月25日の会場と内容が変更になりました。   
       第6回 くにたち幼児音楽研究会のご案内
 
 新年あけましておめでとうございます。今年も一緒に研鑽しましょう。
 実は、次回2月25日ですが、青木と吉仲が関係しております健伸幼稚園が文部科学省の教育課程研究校として、2月24日、25日に発表を行いますので、そこに合流させていただき、一緒に学び会いたいと思います。予定は次のようです。
                記
1.期日 2月25日(土)9:30〜12:00
2.場所 健伸幼稚園
     千葉県船橋市丸山5−12−7 東武野田線馬込沢下車
     電話047−438−7019 FAX047−439−8334
JR船橋駅乗り換え、馬込沢駅まで3つ目
3.内容 
  1月24日(金) 10時から公開保育、午後発表と協議会 
  1月25日(土)
    9:30〜10:00  ティ−ム保育に関して研究発表
   10:00〜12:00  講演と質疑      小田豊先生
  当日は作品展(これは必見)が開催されています。24日も参加できる方は、ダ   イナミックな保育活動をご覧いただけるのではないかと思います。
4.その他
 ○持ち物   履き物、筆記具等 (昼食は分かりません。給食があるかも)
 ○申し込みする方は、直接健伸幼稚園まで連絡してください。
 ○会費 子どもの絵画の資料代含めて3000円程度の予定
  事務局   AEER 電話・FAX047−397−0228
          Eメ−ル aokiyo@aokiyo.com  


2005.11.12 第4回研究会報告

提案1「教職課程における音楽の在り方と歌うことの重要性」

吉仲 淳(青山学院大学文学部教育学科

 11月12日(土)、青山学院大学1134教室にて第4回研究会が開催された

 音楽の本質を探るという目的のもと、教員養成における音楽の在り方や教職課程における音楽の有用性を考え、教師の資質を芸術教育がどのように育むかを提案した。
  また、青山学院大学で行われている教職関連の音楽講座において担当者がどのような認識のもと行われ、学生は各講座について、どのような認識をもって受講しているのかなどの現状および今日的問題を実例を含め、提起した。発表は、次のとおりである。
   1.青山学院大学における教職課程としての音楽
   2.そこに潜む今日的問題 
   3.問題が引き起こす問題
   4.考察、および結果
   5.解決案
   6.その具体的方策
  特に考察の中で、どうしても情報授受にのみに徹してしまい、評価の対象を知識の量や技術とすること。また指導する側は、それらの正確性などのジャッジを評価対象とすることに陥りやすく、学生は、評価基準に沿って学習することの安全性にのみ甘んじている点を指摘した。その上で音楽教育において、創造の場においての自己決定とその責任の重要性を述べた。同時にその育みとしての声の使用、歌うことの重要性を提言した。

提案2「幼稚園における日常の音楽を考える」

                                           伊藤裕子(谷戸幼稚園

 都内に850園を数える私立幼稚園の現状を考察すべく、平均的な幼稚園の風景として谷戸幼稚園の音楽的活動場面のビデオを視聴し討議した。
参照したビデオの内容は以下の通り。

1,生活の歌や季節の歌など、カリキュラムに沿った歌唱指導場面
(「大型バス」「朝のうた」「お弁当のうた」「まっかな秋」「なべなべそこぬけ」)2,あそびの中の音楽的な場面や、楽器コーナーの様子
  (「おちゃのみに」「あぶくたった」「かごめかごめ」「ゆうびんやさん」、ネイ   チャーゲーム・楽器コーナーの様子)
3,リズムあそびの場面
   (天野式リトミック「音符の表現」遊戯「あまだれぽったん」「おたまじゃくし」4,行事に向かう活動場面
   (運動会の練習、運動会後の様子、誕生会コンサート、市民文化祭合唱の集い)
 伊藤より補足説明として、抜本的な行事を見直すことの難しさ、保育者の音楽的な素養としてピアノの技術と共に、歌唱力や音のやり取りで遊べるようなアンサンブルのセンスなどの必要性、音楽的なあそびを保育者間で話題にする難しさ、また集団生活の中では自由に楽器を試したり演奏したりなどが難しく、表現領域であるはずの音楽がやり方を一方的に教える保育になりがちになること、更にリトミックなど、何を育てようとするのかが明確になっていない場合が多く、幼児の発達を踏まえ、どのように身体性を育てればよいかなど、自園を含めた私立幼稚園の今後の課題を述べた。
 討議では、山下氏よりリズムは音符の長さを教えるものではなく、人の呼吸や歩く速度などを体感し、リズムの法則性、秩序をつかんでいくもの等の意見をいただいた。
 また、先に教員養成の立場から発表された吉仲氏の問題提起を受けて、保育者の資質や身につけるべきことについても討議された。


2005.10.26

国立音楽大学付属幼稚園公開研究会
  恒例の自主公開研究会が開催されますので、ご都合が着く方は議論に参加しにおいでになりませんか。以下がご案内の内容と申し込み方法です。

  庭の草花も秋色に染まってきました。皆様におかれましては、ますますご健勝のこと存じます。子どもたちは、畑で、川で、築山で自然を取り入れながら遊び、生活する姿があります。大学のキャンパスや神社など、子どもたちの気に入りの散歩ルートも生まれました。五感を研ぎ澄まし、四季折々の自然の変化を感じ「知」を育むことは、初代園長小林宗作の教育理念「総合リズム教育」の目指すところと考えます。そこで今年の研究会では「自然と共生する子ども」をテ−マに、子どもの育ちを見つめ直してみたいと思っております。自主公開研究会を下記のように企画致しました。例年よりやや早い時期の実施でありますが、是非ご参加下さいますようご案内いたします。

                                 

1.日程 平成17年11月29日(火)9時〜16時
   830 900  受付                                     9001100  公開保育
   11001115  園児降園・協議会場設営
   11151215  学年協議会
   12151300  昼食  VTR視聴 宿泊保育記録 
   13001345  課題提案
             ・自然と共生する子どもの生活
                   自然体験を通して生まれる表現
   13451445  グループ討議
   14451545  講演  演題 「生活即教育」
                  講師 青木久子先生(青木幼児教育研究所主宰)
   15451600  謝辞 園長 小 ア  佑
2.申し込み方法 FAX0425739977 または ハガキに【住所・氏名・所属・電話番号】をご記入の上、11月21日までにお送り下さい。尚、80名になり次第締め切らせていただきます。午後の協議会のみの参加も受けさせていただきます。

3.その他 参加費は無料。昼食は各自でご用意下さい。湯茶は園の方で用意致します。また、靴袋並びに上履きをご用意下さい。

【幼稚園 JR国立駅下車南口を出て、駐輪場・駐車場のはずれの角 
   徒歩3〜4分のところの淡いピンクの鉄筋建て】    

2005.8.27
第3回 研究会報告  
「小林宗作の幼児音楽理論と実践」

                  山下郁子(国立音楽大学附属幼稚園)

 8月27日、朝から気温が上がり暑い中、夏休み最後の土曜日であったにもかかわらず、27名の先生方が参加し身体を動かした。幼稚園の遊戯室で行うには丁度よい人数であった。自分の身体と向き合い、リトミックを体験しながら総合リズム教育の理解を深め、それぞれの立場で音楽や教育について考える機会となった。ピアノ伴奏は岩瀬礼子(国立音楽大学附属幼稚園旧職員、現在東京教育専門学校)に依頼した。
1.  小林宗作について 経歴、時代背景、人柄を話す。
2.  手、足の運動、右手左手別の動き(カナヅチ、カンナ)をして、四肢の独 立、即時反応を経験する。
3.  リトミックとは何かを説明する。(資料参照)
4.  総合リズム教育とは何か。宗作の教育法を体験する。

@ 丹田の意識、即時反応・・・つま先で立つ。膝の屈伸、右足から左足への体重移動。自分のテンポで歩く。ピアノに合わせて歩く。合図で後ろに進む。

A 自然模倣・・・木になる(風に揺れる。そよ風、台風の風など)

ネコになる(お父さんネコ、お母さんネコ、こネコ)「ねこのこえ」を歌う。

B音符の長さと名称(資料参照)・・・手をたたく、歩く、ワンタイム変化をする。2人で肩たたきをしながら合図を掛け合う。クロでバッテンつなぎ、シロで引っ張り合う、ハタで手をたたく。「こま」を歌う。

C拍子を感じる・・・リズム積木の使い方、リズムパターンを作る。指揮をしながら歩く(2拍子、3拍子、4拍子)8人のグループになりせっせをし、おてだまを送る。(自己紹介)「いぬ」を歌う。

Dフレーズを感じる・・2人でポーズをする。(平行、反行)「日がくれた」を歌う。

E音の高低を感じる・・・高音では手を高く上げジャンプし、低音では床にしゃがみ低くなる。高音と低音の聞き分けができたら中音を聞く。

徐々にド、ソの聞き分けをし、ミの音も理解する。この時、階名を理解することが目的ではなく、あくまでも音の高低の理解に結びつける。ド、ミ、ソの色カードを提示する。身体を使いカメになりドが足、ミが手、ソが頭を出して聞き分けする。「ドミソ行進曲」を歌う。

 先生方の感想

 自分の身体にすべての基礎があることを実感し、自分の表現の幅を広げたいと思った。周りの人と呼吸が合って動けた時の感覚は、気持ちよく心と体がつながっていることを改めて感じることができた。(M.Y)

 音楽のおもしろさは、色々な角度から味わえるものだということを感じて新鮮だった。リズム積木、ドミソの色カードを実際に使い、生活の中に音楽の意味や理解を深める素材が沢山あり、探す楽しみが増えた。(G.K)

「こっこのおへや」ホ−ムペ−ジから感想をとらせていただきました
2回目のリトミックを受けるため、国立音大附属幼稚園に行ってきました。今回のリトミックはくにたち幼児音楽研究会が主催したものです。
リトミックの創始者はスイスのジャック=ダルクローズですが、そのリトミックを日本にもってきた人は小林宗作という人。この小林宗作先生は、附属幼稚園の初代園長先生で、成城学園の幼稚園の園長先生もされていました。それより有名なのは、『窓ぎわのトットちゃん』の黒柳徹子さんが通っていたトモエ学園の校長先生だったということ。同書の中には小林宗作先生について書かれたくだりがあり、どれも先生のお人柄をしのばせるものです。
今回はこの小林宗作先生が行っていたリトミック、つまり「総合リズム教育」を指導していただきました。「それはどんなリトミック?」って質問が出そうですね。これについては的確な答えを即答できるよう、勉強したいと思います。リトミック実践については勉強になりましたよー。指導者によってこんなにも違うのか!って。学生時代のリトミックは何となく合わないぞ〜〜〜と思っていたのに、今回のはとても楽しくできたんです。これってやっぱり指導力ですよね?


2005.7.23

第2回くにたち幼児音楽研究会報告(石井まとめ)

2005年7月23日(土)青山学院大学620音楽教室にて、第2回くにたち幼児音楽研究会が開催された。

まず、古山律子氏(前国立音楽大学附属幼稚園教諭)より、「子どもと共に創造する歌物語の試み」と題して、5歳児の音楽活動実践の報告があった。幼稚園教育要領には「感性と表現に関する領域(表現)」とあるが、現場において目指すところが見えにくいのが実態である。そのことをふまえた上で、古山氏から「音楽的母語」(ビョルクボルク『内なるミューズ』)に着目した自身の実践と模索が報告された。

「音楽的母語」とは「音、運動、リズムは、胎児期から身体的、心理的にも人間にとってきわめて重要な意味を持っている。どの文化であっても遊ぶ子どもの間には、自発的な歌が存在するに違いない。文化や伝統に根ざし色彩は異なるが、人間の早期コミュニケーション及び社会化における基本的要素として普遍的である」とするものである。古山氏は生活の中で生み指される音楽表現を、「国立の労作歌」を通して模索、実践された。子どもの興味、活動に遊び、個と集団それぞれの育ちに着眼点をおき、美しい日本語、子どものイメージからの対話、自分を表す喜びなどにも配慮された。わらべうたと現代社会とのギャップは、教師も心を揺り動かされ、子どもと学ぶ姿の中でカバーされたとのことだ。西洋化された生活と本来日本人として持ち合わせた「母語から得る風景」、この二つの要素と学びの獲得は、人間の成長と成熟における一つの着眼点となりそうである。

次に、石井より「歌うことを見つめ直して」と題して、幼児期と音楽表現の接点について、理論構築の一つの提案がされた。以下がそのおおまかな内容。

1.はじめに〜「個」を取り巻く社会関係図(石井・国立音大青木ゼミ2002.1)

2.自己の中で音楽(うたうことを含め)の位置づけの各自の再認識

3.人間にとって音楽とは何か(人類学的視点含め)

4.歌うことを教育するとは(幼児期において)

(1)幼児期の特性〜幼稚園教育要領から

(2)5領域「表現」 幼稚園教育要領解説P123~P136

(3)幼児の音楽指導観〜「幼児」と「音楽」の教育上見出せる共通点

5.音楽性の発達とは(…今後の課題の一つとなる)

(1)遊びと音楽の3要素:スワンウィック

(2)幼児の音楽活動において「楽しさ」を支える3要素の仮定的相関

(石井玉川修論04.1)

 研究会の締めくくりとして、参加者から「自分の中での音楽」を中心に意見を頂いた。それぞれに音楽への熱い思い、音楽的文化財であることが伝わった。

〈その他出た意見と、今後の課題〉

・教育の中で音楽嫌いが生まれる(評価の仕方、音楽は特別なこと習うこととの意識、そうした長い積み重ね自体の見直し)

・体得した技量的なものと、根元的なものを実践を通してどう発信するか。

・現代社会に於ける身体知の見直し。音楽も前言語的(共感性や身体性)

・幼児教育、音楽教育と社会との関わりの希薄さ。音楽振興法があるにもかかわらず、地域文化、コミュニティーへの発信手段、広げ方、巻き込み方の未成熟である。幼児教育の価値を正しく認識し社会が共有して行くには何が必要か。


2005.6.11
第1回研究会報告
 第1回のくにたち幼児音楽研究会が発足しました。
1.発起人挨拶
発起人の一人、中谷氏が音楽教室を経営する立場から教育のビジョンをどこに置くのか、演奏技術の習得のみならず、表現することをどうカリキュラムにもりこんでいくのか、理想と現実を踏まえながらみなさんと一緒に考えていきたいという発足の動機が語られる。
 青木氏は、世代を越え、分野を越えていろいろな角度から幼児音楽を考える研究会の趣旨と、音楽への問いは自然と人間が共生する原点にまで遡って研究したいこと、全員が提案者であり実践・研究者としてこの会のメッセ−ジを発信していきたいという趣旨を語る。
2.討論「これからの幼児音楽の課題を考える」
 山下郁子氏の司会進行により、各自が次のように現在の課題を提起し、討論 した。
石井はるか氏(鎌倉女子大、逗子かぐのみ幼稚園)−子どもは生きているだけで表現している。しかし実際、子どもと音楽体験をしていくのは難しい。実践をビデオに撮り分析考察して研究したが、幼児期は遊びを通して音楽表現を獲得していくもの。心が解放されイメ−ジがわいたとき、音楽が生まれ仲間関係が育っていく。学生に声楽や保育内容「表現」を教えているが、ちょっとしたことで音楽性が高まるが受け身の学生が多く、そこが開発されていない。
古山律子氏(国立音大附属幼稚園)−幼稚園の教師は、1日の子どもとの様々なかかわりの中に音楽がある。その生活の中の音楽を大切にしていきたい。音楽だけを取り出すのでなく、生活、遊び、文化への興味や関心、個々の発達などあらゆる面から音楽を考える必要がある。技術ばかりが先行してしまいがちだが、生活に根ざした音楽表現とは何か考え、心に響き合う音楽表現を伝えていきたい。
香曽我部琢氏(子ども芸術大学)−小中学校で教えていたのでテクニックを教えてしまいがちで、幼稚園(山形大附属幼)に来たとき音楽がないように感じた。しかし、幼稚園には生活の中に音楽があって自然の音に耳を傾ける、オルフ楽器で即興的演奏を楽しむなど試みた。現在も模索中で、どう保育に取り入れるか考えたい。
吉仲淳氏(青山学院大)−幼稚園では生活の中で音楽的活動をと言われても、毎日、音楽が生活の者はとまどう。音楽が人間を左右するのか。学生が受け身なのは同様で、音の中でイメ−ジを広げる創造性や悲しみを感じる感受性は弱い。自分の感性から理論を構築していきたい。
中谷幸司氏(国立楽器)−子どもが何かを表現したとき、受け止める側の大人のキャパシティが狭いとその表現に気付いてあげることができないし、充分に受けとめることができないと思う。教育する側のビジョンやカリキュラムを明確にする必要があるのではないか。ただ単に楽譜の再現の演奏ということではなく、ハーモニーの響きや楽しいリズムなどの体験をとおし、こどもたちが感動し、なにか創造的なアクションにつなげていくことはできないものだろうか?また、最近は、電子楽器の使い易さだけに目を向け、アコースティックの響きの体験がすくなくなってきているのではないかと危惧している。
2.日本の幼稚園音楽の流れ  音楽家としてではなく、長年、幼児教育や教員養成にかかわってきた青木が、日本の子どものわらべうた遊びや地域社会の成員として参加してきた祭囃子など、生活と密着した音楽と、明治以降、学校教育体系の中に組み込まれた西洋音楽の歴史、そして戦後の保育要領、幼稚園指導書「音楽」が目指したもの、さらに今日のメディア等の音楽、音楽を職業とする専門性の高い音楽といった視点から、資料をもとに課題を提案した。 (2回目から参加の方は、次回資料をお渡しします)
3.グル−プ討議  園行事を負えてから駆けつけてくださった伊藤氏(谷戸幼)も交えて、グル−プ討議が活発に行われた。終了後もまだ話し足りない状態で、これが2回目につながることと思う。 この研究会のまとめは、各自の研究や実践の中にある。
今回の話し合いについて、石井氏からいただいた感想があるので、それを掲載して課題の整理としたい。 石井談 「皆さんの話を聞いていて、以下のような点に共通の問題意識があるのではないかと考えました。 @科学文明の進んだ社会、西欧文明や思想に大きな影響を受け、分断された個人と社会、個人と自然との関わりをどう見つめ直していくべきか、 A各々の国の独自性と、グローバル社会のジレンマ、自己の希薄感、自己を取り巻く環境への無関心への警鐘、戸惑い、明らかにわかる「闇」や価値体系の浮遊感 B本来のリズム、心地よさとは…イマジネーションする力への回帰、単純なこと、シンプルでごく当然なことに気づける力、楽しめる力(…私の考え)  グローバル化や西洋音楽の日常化と日本語の抑揚の関係、また融合と捉えられる点。 Bそこに音楽表現、音楽教育がどのように役割を果たせるのか C根底には、音楽とは何か、スキルと情緒の兼ね合い、専門的で構造的な要素を奥深く持ちつつ、どの社会・生活にも存在してきた普遍性・大衆性を持つ音楽の教育上の扱い D人的環境、一つの文化財である「自己」と音楽の関係。その人の見る音楽的環境とは … 今年度は「歌うこと」がテーマです。「歌い踊ること」が、人間の本性に最も近い活動との説から考えても、以上の問題点にアプローチしていける道があるのではないか、と考えられます。
5.その他 次回は、7月23日(土曜日)13:00〜16:00      青山学院大学620音楽教室 問題提起「うたうことを見つめ直して」です。

2005.4幼児音楽研究会のご案内
    くにたち幼児音楽研究会事務局
1.趣旨 
 明治の学制改革によって輸入された西洋音楽も、120年余の歴史的変遷を経て、音楽の大衆化が図られた。西洋音楽と日本音楽を融合するセッションも、日本音楽のルネサンスも当たり前のこととして日常の中にある。音楽人口の増加は、当然、戦後の音楽環境の豊かさの賜である。しかし、優れた直感力、感性と響存する幼児期に限って言えば、方法論のみ取り出されて、幼児音楽に関する基本的な議論や理論が共通認識されているわけではない。特に幼稚園や保育所において指導される音楽は、幼児の興味や関心、生活テ−マと遊離し、詩心や心に響く音、リズム、音楽風景を失っている場合もある。
 そこで、様々な場で幼児の音楽とかかわっている人々が、幼児期の言葉の発達、リズムの獲得、音への感性、身体への気づきなどへの関心を深め、聞くこと、歌うこと、ひくこと、動くことなど総合的に表現される幼児音楽について学び合い、音楽という表現分野からみた子どもを取り巻く環境のありようを考える。

2.実施内容
「くにたち幼児音楽研究会」の研究事業として、当面、次の二つを推進する。
(1) 母体となる学習会
学習テ−マを設けて、それぞれの提案をもとに研究を深める。初年度は、「歌うことを支える」として、子どもの表現欲求や活動欲求、音やリズムとの出会い、幼児音楽の歴史的考察、今日的な課題把握、及び具体的な実践報告に基づいた幼児音楽の新たな視点等について、学習を継続・深化させる。
(2) 夏期の1日研修
  理論と実践を融合させた1日研修会を実施する。

<平成17年度の予定表>
第1回 6月11日(土)13:00〜16:00
    場所 国立音楽大学附属幼稚園 JR国立駅南口下車徒歩3分
    内容 ・指定討論 「これからの幼児音楽の課題を考える」
登壇者 吉仲、山下、石井、古山、香曽我、中谷
       ・課題提起 「戦後の幼児音楽の出発点を振り返る」
AEER・青木久子
  ・幼児音楽の今日的課題     フリ−ト−キング
・研究会参画への意見交換
第2回 7月23日(土)13:00〜16:00
場所 青山学院大学  音楽教室602    
       JR渋谷駅徒歩13分、東京メトロ表参道下車徒歩4分 
    内容 課題提起「うたうこと」を見つめ直して
      ・歌うことの位置付け・歌うこととは・歌うことを教育するとは
      幼児期の特性(心情・発達段階・学び)や生理学的な基礎(幼児
期の声のメカニズム、子どもと指導者の情報伝達(心情・イメージの共有、表現を支える音楽知識)をふまえて
      鎌倉女子大・逗子かぐのみ幼稚園 石井はるか
       ・バズ&全体討論 音楽性とは、うたうとは、

第3回 8月27日(土) 10時〜16時
場所 国立音楽大学附属幼稚園 
内容 講義        
 演習・実技 プログラムは当日の資料参照

第4回 11月12日(土)
1.期日 11月12日(土)13:00〜16:00
2.場所 青山学院大学 1135教室(11号館3階奥)
       JR渋谷駅徒歩13分、東京メトロ表参道下車徒歩4分 
3.内容 
  「指導する側が持つ“歌う”ということの認識についての考察と提案」
       提案 青山学院大学 吉仲 淳
4.実践提案
  「幼稚園における日常の音楽を考える」谷戸幼稚園 伊藤啓子
    @生活の歌や園歌、季節の歌など、カリキュラムに沿った歌唱場面
    Aあそびの中の音楽的な場面や、楽器コーナーなどの場面
    Bリズムあそびの場面
    C行事に向かう活動場面、その他
5.全体討議

第5回 1月14日(土)
参加者の中から、課題提案、実践報告、討議のテ−マ等を出していただく。
場所 未定(内容によって場所を選定)
第6回 2月25日(土)
参加者の中から、課題提案、実践報告、討議のテ−マ等を出していただく。
場所 未定(内容によって場所を選定)
次年度の計画策定及び会計等諸報告
注:第4回目からは、参加者の皆様の提案をいただきながら、学習教材は今年度のテ−    マに沿って継続的に提供していきたいと思います。 
3.研究会事務局
軌道にのるまでAEERに事務局を置く。
ホ−ムペ−ジ http://www.okiyo.com  ファックス  047−397−0228
  国立幼児音楽研究会主催者 青木久子
4.会員及び学習会費用等
会員は、別紙申し込み用紙に所属、氏名、連絡先を記入して、事務局に提出する。資料 代等、学習会にかかる費用の実費として、最初に3000円を徴収する。納入された費 用は返金しない。夏期研修会参加者について、会員以外の方には別途実費をいただく。
なお連絡、欠席した場合の資料等は、メ−ル等で送付する。(会員の個人情報について は外部への漏洩・公開はしない)
送り先 FAX 047−397−0228
aokiyo@aokiyo.com

            会員申し込み書

私は「くにたち幼児音楽研究会」の会員として参画します。

所属・勤務先など
氏名(フリガナ)
連絡先
    住所(〒     )
    電話orFAX
    Eメ−ル


2005.6
現職教材研究「トポスの共通感覚」刊行。日本保育学会で3年間にわたり「保育の閉塞性を開く試み−経営を開く」を発表し、第58回に「トポスの共通感覚」として発表をしたものをもとに、幼稚園の教育評価の系譜から、トポスの共通感覚、さらには第3者評価まで、教育評価全般にわたってまとめている。

2005.3
現職学習教材「経営の論と理U<運営編>」刊行。組織編と併せて、経営者、中堅、新任すべての人々が、法で示す幼稚園教育の最低条件を理解し、さらなる向上を目指して幼児教育を創造するための学習に活用できると考えます。

2005.3
現職者学習教材「経営の論と理T<組織編>」刊行。続いて4月上旬には<運営編>を刊行予定。経営者、中堅、新任すべての関係者が、次の時代に向けて幼稚園の組織の構造改革を学び、自発創生する組織をつくり出さない限り、幼児教育が死んでしまうという危機意識をもって学習に活用してください。

2005.2
カナダのトロントにて子育て支援を視察し、コミュニティの人々から生まれる子どもが幸せに育つ環境づくりの考え方に接してきました。他民族国家でありながら犯罪が少ない町を目指して幼児教育、青少年の社会教育プログラムが機能しています。また「no body perfect」のプログラム開発者や研究所の教授たちとの懇談も参考になりました。国が「子育てノ−ト」を出す日本と、市民がシステムをつくり出す国の違いを実感するとともに、世界の幼児教育の方向性とも関連させて考える資料も収集してきました。

2004.12.20
現職者学習教材「ごっこの社会学−世界観の形成−」刊行。遊びに関する研修会等でご活用ください。

2004.11
日本教育新聞連載終了
5月から連載してきた「幼稚園の再生」が終了しました。ご愛読ありがとうございました。

2004.11
実践現場の方々が手軽に読める学習教材を作成したいと考えてこのたび「幼保一元化問題−その歴史と展望を考える−」を刊行しました。日々の仕事に追われる中、皆様が手軽に購入し読めるよう、コピ−代を越えない額150円〜200円程度で現職教員の教材を提供できればと考えています。初めに激動する保育界の未来を考えるため、日本の保育制度の歴史を踏まえ、これからを展望する学習教材を作成しました。今後、教育内容の質向上を目指して、いろいろな視点から教材提供をしていきたいと思います。第2冊目は「ごっこの社会学」です。12月に刊行を予定しています。実践現場からも多くの研究を発信していただき、教育内容充実のために研究を共同できればと思います。冊子は研修会の折に、持っていきたいと思いますのでご活用ください。

2004.9.18
ロシアの教育
8月10日からロシアに行って来ました。トルストイ没後百年のヤ−スヤナポリャ−ナでの教育実践の現在を参観し、環境のよさ、指導に表れる子ども研究の深さに触れることができました。またペレストロイカから10年たったピオネ−ルキャンプの現状を視察し、夏の幼稚園も訪問しました。幼児期から子ども相互に育ち会うための環境が整えられており、「子どものユ−トピア」を求めた社会主義の思想が自由主義経済に切り替わった今も思想として、またシステムとして息づいていました。トルストイの思想と芸術論が底流に流れるロシアの教育ついてようやくまとめたところです。

2004.5
第57回保育学会報告
保育臨床研究会自主シンポジウム「保育における『臨床の知』を問う」は、大勢の参加者のもと、次のような視点から討論がなされ、思考する新しい活気を生み出すことが出来ました。
I礒部氏−「何故今『臨床知』なのか」臨床教育学の発生から今日までの先行研究のポイントを指示しながら、1.臨床の学は成立しうるか@保育学の閉塞状況A体験としての臨床B保育における臨床の知、2.このアポリアに向かう、という柱のもとに「保育臨床学が近代科学が置き忘れてきた諸問題、諸課題、『物事の置かれている状況に生起する相互主観的、相互行為的な関係を研究対象として、総合的、直感的、共通感覚的に深層の現実に目を向ける』には違いないが、非科学の道を進むことを選択しているのではない。・・・・『保育臨床学』が『保育界』の内輪の理論にとどまるのではなく、反証可能性に開かれたものであること、、保育という臨床の場が抱える負の側面をもその課題とすることを拒まないことがこの研究の第1歩となる」として、今後の相互批判的研究議論の活発化に希望を見出した話題提供を行った(当日の磯部氏論文が不足した方は送りますのでアクセスしてください)。
岸井氏−「保育現場で保育の『知』を取り戻す」をテ−マに、1.保育することに私を取り戻す、@何故、何を意図して?私の根拠を問う、A実態をどうとらえるか、B吟味、試行錯誤、C私との関係において自覚化する(語る、書く、考える)、2.実践を考える言葉を手に入れる、@何を伝えたい、A何のために伝えたい、B誰に向かって伝えたい、3.問題の掘り起こし、@現実対処の問いからより深い問いへ、A疑問、素朴に感じたおもしろさ、発見などに意味を与える、Bこのような保育者になりたいという揺るや希望に迫る、C与えられた問題、「私」が抜けた共同課題を避けることによって、保育という知の営みを考えようと言う。知を取り戻すためには痛みを伴う。その痛みを研究者が知ることがまずは始まりと言う話題提供には、共感するものが多かった。
指定討論として登壇した、佐伯一弥氏−自らのフィ−ルド研究の体験や1年次の4月から学生を保育現場に入れてともに悩み保育を考える営みから(これは明徳短大ホ−ムペ−ジにアクセス)、5年目に入ってそり実習が洗練されることによって指導の方法が決まってくる自分を振り返り、暗黙知から自覚化までの間にあるもの、我々の構えの中にあるものから臨床の知を見出すことを浮き彫りにしながら、知をつくるというより、ともに意味を作っていく視点を話題に挙げている。
これらを受けて最後に指定討論者の山内氏−保育界を生き物ととらえたとき、界を生きる人々は@新たな活気がもたらされることに期待するのか、A癒しを求めるのかと問う。そして保育学は二項コ−ドを使うことによって仮想敵の二重のバインドをもつとする。保育学の現実は、臨床という言葉をつけないといけないのか、二項コ−ドは現場を居心地悪くしていないか、そして、保育臨床という言葉もまたすぐに消え去る運命にあるのではないか、つまり、AからB、BからC、CからまたAへと議論は堂々巡りしているだけで高まりが生まれない歴史をふまえて、臨床知の制度化に抵抗し続け、それでもなお、臨床知の枠組みを提示していくこと、ライヴがライヴとして生き残るような未完のプロジェクトへの挑戦が必要だと力説した。
この後、フロアのみなさんと活発な討論がなされたが、次への大きな課題と旺盛な批判精神が参加者の胸を横切ったのではないかと思われる。今後も継続してこの情報ペ−ジを活用していただき、議論を進めたいと思う。感謝!